kurkku designではオープンを一ヶ月後に控え、品の選定まっ只中です。その中のひとつとして、漆器があります。手入れが面倒という印象の強い漆器ですが、耐久性がある上、科学物質ではなく自然に還る天然の塗料ということで注目されています。
漆は外的から身木を守るため出される樹液です。このため殺菌作用に優れ、縄文時代に塗られた漆製品がそのままの形で出てくるほど永い塗料です。漆は英語で「japan」と言うそうです。日本独自の天然塗料だった漆を使った品を扱うべく、全国でも数少ない漆器の産地、石川県の山中を訪れました。
漆の工程は気が遠くなるほど複雑で手間がかかっています。木地師、下地師、塗師、、と様々な人の手を介し、何十もの工程を経てようやくひとつの品となっていきます。
下地師の天王地政男さんは終戦の年から今日まで60年、下地の道一筋です。作業に使用するヘラも、その都度ご自分で作っていらっしゃいます。
下地には、輪島塗と同じく、砥の粉(珪藻土)を用い、塗りと研ぎを数十日にわたり根気よく繰り返して丈夫な下地をつくります。この作業を行うことで、耐熱に優れ、変形しない製品として成り立つのです。
どの工程の職人さんも後継者不足は深刻です。「上から塗っちゃうとわからんし、一人前になるまで何十年もかかるし、やりたいやつがおらんがや。」天王地さんは仰っていました。
その形やデザインはもちろん、効能や、製作過程、作り手の想い、、
そのものが生まれるいろんな過程を知っていただけるよう準備中です。お楽しみに。
(津浦)
by kurkku|2006-05-20 14:05 | Comments(7)
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この記事へのコメント。
デジタルな世の中とコンビニエンスな感覚を否めない「今」をここでも実感しています。
でも元々繊細さを美徳とする日本では、やはり職人気質が性にあっているのではないかと思います。
自分を表現できる喜びが、誰かを幸せへと導いていく・・・・そんな素敵な連鎖がずっとずっと拡がっていくと良いですよね。
この記事へのコメント。
shinoさん、コメントありがとうございます。
様々な矛盾や現代の環境にそぐわない面もあり、一概に伝統が良いとはいえないかもしれません。便利になること、進化していくことも人類の進歩の上ではあたりまえですし、良いことと思います。
そうした今の利便を知りつつも、何をもって豊かとするのか。立ち止まって考える機会も持ち続けたいと思います。
この記事へのコメント。
津浦さんのおっしゃる通りですね。
以前櫻井さんもコメントされていたみたいに、「今日何を選ぶかで未来が変わる」これもまた同じ意味を指しているような気がします。
「豊かさ」とは自分が選んだ「何か」によって幾通りにも増やしていけるものだと思います。
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shinoさん
最後のコメント素敵なことばですね。
ありがとうございます。
日々、試行錯誤を重ねている段階です。
オープンを楽しみにお待ちください。
この記事へのコメント。
大して品質のよくない商品であっても、大量に生産することで
価格を下げ、マーケティングや広告にお金をかければ、
それなりには売れるものですよね。
逆に、本来需要がある商品なのに、認知されなかったり、
うまくその価値が伝わらずに淘汰されてしまうのは、非常に
残念なことだと思います。
伝統工芸に要求される技術は非常に高度で、それを習得する
だけで大変な労力がかかるのでしょう。
どうすれば現代のマーケットに受け入れられるか、などという
ことに目を向けている余裕などないのかもしれません。
だからこそ、そうした商品を消費者の目に触れさせ、
そこに価値を感じる人に選んでもらえる場を提供することは
非常に価値のある行為だと思います。
「いいものを長く使いたい」という、本来誰もが持っている
思いに応えるような仕事が、きちんと評価される環境が広がる
きっかけになったらいいですね。
オープン準備がんばってください!
この記事へのコメント。
everybody goesさん
コメントありがとうございます。
本当におっしゃる通りと思います。
新しい物をつくらないことが良いことでもなく、必要とされているモノ、自己表現をするためのモノ、そうしたものが世に出ることも最も。
一方で世に溢れている製品たちと需要が結びつかずに廃れていってしまうことが多いことも感じています。
まだまだ未熟ですが考えながら手探りを続けていきます。
ありがとうございます。
この記事へのコメント。
漆器に着目したのは素敵だと思います。
日本に昔からある器で見た目にも落ち着きとくつろぎを与えてくれます。
日本の伝統文化であり、輪島塗は、社会の教科書にも登場しています。
伝統文化でありながら後継者難と不景気は今、どこの地域にも広がっています。
けれど、これだけ立派な物なもの簡単には消えないでしょうしなくしていけないと思います。これらは気品があります。よく着目してくれました。どうぞお店でその値打ちを広めていっていただくことを願っています。
なお、石川には珠洲焼きもあり、この茶碗やカップでとてもおいしくいただけます、また検討されるのもいいかと思います。
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